【和訳・解説】ケアオ・コスタ直伝『Aloha O’ahu』歌詞の意味とウクレレコード|愛する土地を祝う歌
ハワイアンミュージックの重鎮、Keao Costa(ケアオ・コスタ)待望のニューアルバム『Aloha O’ahu』。
そのタイトルトラックである名曲「Aloha O’ahu(アロハ・オアフ)」について、ケアオ・コスタ本人がその背景と演奏のポイントを語ってくれました。
多くのフラダンサーに愛されるこの曲ですが、単なる「オアフ島の歌」ではありません。
今回はLani Records公式YouTubeチャンネルの特別映像とともに、歌詞に込められた本当の意味と、ウクレレですぐに弾けるコード進行をご紹介します。
1. 楽曲のルーツと系譜(Lineage)
この曲は、ケアオ・コスタが長年の友人であり師でもある Tony K. Conjugacion(トニー・コンジュゲーション) から教わった大切な曲です。
そしてトニー氏は、ハワイ音楽の伝説的存在である Vicki I’i Rodrigues(ヴィッキー・イイ・ロドリゲス) からこの曲を受け継ぎました。
ハワイの文化において、誰から習ったか(Lineage)は非常に重要です。正統なスタイルを受け継ぐケアオ・コスタの歌声には、先人たちの魂が宿っています。
2. 歌詞の意味と背景:愛する土地を「祝う」ということ
動画の中でケアオは、この曲を教わった時にトニー氏から言われた印象的な言葉を紹介しています。
“It needs to sound like a celebration of the land you love.”(この曲を歌う時は、あなたが愛する土地を祝福しているように聞こえなければならない)
「Aloha O’ahu」は、単に「オアフが好き」という恋愛感情のような歌ではありません。
「その土地を大切にし(Take care)、その土地が生み出す恵みを楽しむこと」への愛が歌われています。
3. 歌詞の和訳と注目ポイント(リーポアとオオイオ)
特に注目すべきは3番の歌詞です。ケアオも動画内で触れていますが、ここにはオアフ島の具体的な「香り」と「味」が登場します。
【主な歌詞の意訳と解説】
- Līpoa(リーポア): オアフ島の海で採れる香り高い海藻。
- ‘Ō’io(オオイオ): ボーンフィッシュ。ハワイでは「ロミ」や「ポケ」にして食べるのが一般的です。
ケアオはこう語ります。
「3番に出てくるリーポアの香りや、オオイオのポケ。そういった土地から得られるインスピレーションや、素晴らしい恵みについて歌っているんだ」
ただ美しさを褒めるだけでなく、「その土地のものを美味しくいただく」という生活に根ざした喜びが、この曲の真髄なのです。
Aloha O’ahu 歌詞・和訳
1.
Aloha O’ahu lei ka ‘ilima
Kohu manu ‘ō’ō hulu melemele
(愛するオアフよ、イリマのレイを纏う)
(まるで黄金の羽を持つオオー鳥のように美しい)
2.
Ka’apuni ho’i au a puni O’ahu
Ho’okahi mea nani a’o Waikīkī
(オアフ島を一周して巡りました)
(その中でも特に美しい場所、それはワイキキ)
3.
Moani ke ‘ala o ka līpoa
Me ka poke ‘ō’io e ‘uese ‘ono
(リーポア(海藻)の香りが漂い)
(オオイオのポケはなんと美味しいことか)
Ha’ina(結び)
Ha’ina ‘ia mai ana ka puana
Kohu manu ‘ō’ō hulu melemele
(物語を伝えます)
(黄金の羽を持つオオー鳥のように美しいオアフ島)
1. Hui (Verse 1) :オアフ島の象徴「黄色」
歌詞:
Aloha O’ahu lei ka ‘ilima
Kohu manu ‘ō’ō hulu melemele
【単語解説】
- Lei ka ‘ilima: イリマの花のレイ。イリマはオアフ島の島花であり、そのオレンジがかった黄色は**「王族(Ali’i)」**を象徴する色です。
- Manu ‘ō’ō: オオー鳥。かつてハワイに生息していたミツスイの一種。その黄色い羽は、王族のガウン(ケープ)を作るために使われた非常に貴重なものです。
【フラダンサーのための解釈】
単に「黄色くて綺麗」と言っているのではなく、**「オアフ島は王族のような気高さと、貴重な宝物のような価値がある」**と讃えています。
踊る際は、可愛いお花を表現するだけでなく、その背後にある「高貴さ(Royal)」を意識して背筋を伸ばしましょう。
2. Verse 2 :旅をして気づくワイキキの特別さ
歌詞:
Ka’apuni ho’i au a puni O’ahu
Ho’okahi mea nani a’o Waikīkī
【単語解説】
- Ka’apuni: 円を描く、巡る、一周する。
- Ho’okahi: ただ一つの、唯一の。
- Waikīkī: 直訳すると「噴き出す水」。かつてはタロイモ畑や養魚池が広がる豊かな湿地帯であり、王族の保養地でした。
【フラダンサーのための解釈】
「島を一周してみたけれど(他にも良い場所はあったけれど)、やっぱりワイキキが一番だ」という強い肯定です。
現代の観光地としてのワイキキではなく、かつての王たちが愛した「癒やしの水が湧く場所」としてのワイキキをイメージして、愛おしそうに表現してみてください。
3. Verse 3 :五感で味わう土地の恵み
歌詞:
Moani ke ‘ala o ka līpoa
Me ka poke ‘ō’io e ‘uese ‘ono
【単語解説】
- Moani: 風に乗って運ばれてくる香り。
- Līpoa: 褐色の海藻。独特の強い磯の香りがあり、ハワイアンにとっては「故郷の海」を思い出させるノスタルジックな香りです。
- Poke ‘ō’io: オオイオ(ボーンフィッシュ)のポケ。オオイオは小骨が多く調理が難しい魚ですが、スプーンで身を削ぎ落とし(Lomi)、海藻と和えて食べると絶品です。
- ‘Uese ‘ono: なんて美味しいんだ!(英語の “Ways ono” がハワイ語化したものと言われるスラング的表現)。
【ケアオ・コスタの視点】
このバースこそが、この曲の真髄です。
美しい景色(視覚)だけでなく、香り(嗅覚)と味(味覚)で土地を愛でています。ケアオ氏は「土地を大切にし、その土地が生み出す恵みを楽しむことこそがAloha O’ahuだ」と語っています。
踊る時は、美味しいポケを口にした時の幸福感や、懐かしい海の香りを胸いっぱいに吸い込むような表情が求められます。
4. Ha’ina (結び) :物語の伝承
歌詞:
Ha’ina ‘ia mai ana ka puana
Kohu manu ‘ō’ō hulu melemele
【解説】
歌のまとめです。「この物語を伝えます。黄金の羽を持つ鳥のように美しいオアフ島について」と繰り返します。
最後にもう一度、オアフ島への最大級のリスペクトを込めて締めくくります。
4. ウクレレ・コード進行(Chords)
動画の冒頭(1:18〜)で、ケアオ本人がコード進行を教えてくれています。
キーはC(ハ長調)です。
- 使用コード: C, F, A7, D7, G7
- ヴァンプ(Vamp): D7 – G7 – C
非常にシンプルでトラディショナルなハワイアン・スタイル(チャラン・ガラン)で演奏するのがポイントです。ウクレレ初心者の方もぜひ動画に合わせて弾いてみてください。
まとめ:本物のハワイアンを深く知るなら
「Aloha O’ahu」は、土地への敬意と感謝が込められた祝祭の歌です。
フラで踊る際も、単に笑顔で踊るだけでなく、「美味しいポケを食べた時の喜び」や「懐かしい磯の香り」を思い浮かべることで、表現に深みが出るはずです。
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